これからの法改正の動き

これからの法改正の動きでは

これからの法改正の動きでは、毎月「これだけは押さえておきたい!法改正の動き」と「注目したい 法改正の動向」について解説します。

これだけは押さえておきたい!法改正の動き

「長時間労働抑制」と「高度プロフェッショナル制度」の一本化を提示

厚生労働省は、労働基準法改正案として、長時間労働の抑制策と高度プロフェッショナル制度を一本化することを労働政策審議会に提示しました。
秋の臨時国会での成立を目指します。

改正案の趣旨は、労働者の長時間労働を抑制するとともに、創造的な能力を発揮しながら効率的に働くことができる環境を整備するため労働時間制度の見直しを行なうことです。
ポイントは、次のとおりです。 (1)長時間労働抑制策・年次有給休暇取得促進策等
  1. 中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金の見直し
  2. 著しい長時間労働に対する助言指導を強化するための規定の新設
  3. 一定日数の年次有給休暇の確実な取得
  4. 企業単位での労働時間等の設定改善に係る労使の取組み促進
(2)多様で柔軟な働き方の実現
  1. フレックスタイム制度の見直し
  2. 企画業務型裁量労働制の見直し
  3. 特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設
(3)高度プロフェッショナル制度とは 高度プロフェッショナル制度とは、職務の範囲が明確で一定の年収(少なくとも1000万円以上、省令で規定)を有する労働者が、高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事する場合に、健康確保措置等を講じること、本人の同意や委員会の決議等を要件として、労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用除外とする制度です。
使用者には、客観的な方法等により在社時間等の時間である「健康管理時間」を把握することのほか、「インターバル措置」「1月または3月の健康管理時間の上限措置」「年間104日の休日確保措置」のいずれかを講じること等が求められます。
野党からは、「残業代ゼロ制度」「過労死促進」「正反対の内容を一本化する必要はない」などとの批判も強く、国会審議は予断を許さない状況です。

注目したい法改正の動向

戸籍にマイナンバーを導入へ

法務省は、戸籍事務にマイナンバー制度を導入する方針を固め、法制審議会に諮問する方針を明らかにしました。
婚姻届やパスポート申請、老齢年金請求などの際に行政機関に対して戸籍証明書の提出が不要となり、手続きが簡素化されます。
法制審議会での検討を経て、2019年の通常国会に戸籍法の改正案を提出することを目指します。

受動喫煙の広さの線引きは政令で規定

受動喫煙対策を強化した健康増進法改正案について厚生労働省は、例外的に喫煙を認める飲食店の広さを盛り込まず、政令で規定することにしました。
喫煙を認める例外を約30平方メートル以下の小規模なバーやスナックに限定したいとする厚生労働省と、例外を150平方メートルまで広げ、店頭に「喫煙」「分煙」と明示すれば、店の業態に関係なく喫煙可能とする自民党が対立していました。
改正案はこの臨時国会に提出予定で、施行日は公布から2年以内とする方針。線引きについては、それまでに決着させたい、としています。

東京オリンピックの開会式を祝日に

東京五輪・パラリンピック大会推進議員連盟は、開会式が行なわれる2020年7月24日を祝日にするため、祝日法改正案を議員立法で来年の通常国会に提出する方針を決めました。
交通規制や警備強化のためには、開会式当日の祝日化が欠かせないと判断されたためです。
新たに祝日を増やすのは経済活動への影響も大きいことから、10月の体育の日あるいは7月の海の日をその年に限り振り替える案が挙がっています。

公務員定年を65歳に

政府は、国家公務員と地方公務員の定年を、現在の60歳から段階的に65歳に引き上げる検討に入りました。
公務員の年金支給開始年齢は2025年度にかけて段階的に65歳に引き上げられる予定で、その年齢と接続させることが目的です。
民間企業でも65歳までの雇用確保措置が求められていますが、公務員の定年年齢引上げは、民間企業への波及も必至といえます。